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二代目桂枝雀という人

こんにちは、土曜のありこです。
生きていらっしゃったら今年79歳。未だ根強いファンが沢山。
繊細でとても頭がいいのに、それを真逆に振り切って馬鹿を演じられる方。
来月も寄席へ行くのにこんなことを言うと誤解を招くかもしれませんが、私はどうやら実は落語が好きというより桂枝雀師匠という人が好きなようです。
本名「前田達(とおる)」少年は高校生の頃、亡くなったご尊父の代わりに弟たちを養い家計を支えるため給仕や工場で働くのですが、前田兄弟として弟さんと一緒に漫才でラジオ出演なんかも果たされています。そんな中も成績優秀で神戸大学に合格。1年後「大学がどんなところかだいたい分かりました」と言いさっさと辞め、米朝師匠のもとへ弟子入りします(枝雀師匠になる前の桂小米・誕生)。こういうところは大阪の府立高専というインテリながら途中で辞して演劇の世界へ身を転じる私の一番好きな俳優國村隼さんと似ています。他にも個人的にはこのお二人の共通点はあるように思います。お酒が好きであったり、関西弁であったり。枝雀師匠は英語落語を海外でやり、國村隼さんも言わずと知れた国際派俳優、国境を越えて活躍していらっしゃいます。
また、後に枝雀師匠の音源のライナーノーツ(余韻の残る素敵な文章)を國村隼さんが書かれていることに気が付き、驚きと共に「繋がった!」と勝手に興奮したことを覚えています。お二人のご縁をただ単に私が知らなかっただけなのですが…。

枝雀師匠はメディアでは「すびばせんおじさん」として陽気な芸風で有名になりましたが、プライベートではさほど陽気ではなくむしろ静かでテンション低めな性質であったそうです。
完璧主義でしょうか、本の巻末に落語の「サゲの分類表」なるものを残しています。
弟さんが亡くなられてから、随分と死後の世界について調べるようになったと著書にありました。さらに突き詰めるタイプであったが故か、晩年(といっても60歳いかない)心を病まれ、奥様に自分は幸せに出来ないから離婚してくれと懇願をしたり、しばらく高座を休まれたりし、とうとう首を吊ってしまいます。弟子の雀々師匠がロープからおろし一旦は一命をとりとめたものの、結局帰らぬ人に。

枝雀師匠の落語の中で一番好きなのは『おもいでや』ですが、著書の中で一番のお気に入りはこれです。
この本は、枝雀師匠がお弟子さん方やご家族と共同生活をする中で、日々の細かなことから落語というお仕事のこと、大小様々な悩みを抱えいろいろなことを考えながら生きていらっしゃることがとても読みやすい文体で書かれているエッセイです。お弟子さん一人一人について、愛情のある言葉で言及されています。
お弟子さんの桂雀々師匠や雀三郎師匠の寄席へ行ったことがございますが、まくらで一門の話が出た時には嬉しく、噺も独特の言い回しなどはちゃんと枝雀師匠のものを受け継いでいらっしゃるなーと思い、この先もずっと、脈々と引き継がれていくといいなぁと1ファンとしてはしみじみ思うのでした。
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プロフィール

HN:
性別:
非公開
職業:
ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
自己紹介:
ギター屋 栗山
毒ガス屋 小俣
ロボット屋 うどん
台灣屋 ありこ

を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
歴代メンバー
・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
・クレープ屋 石井(2018年8月8日まで)

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