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どんどん変に・・・

みんなの大部屋をご覧の、連休じゃなくてやさぐれている方、はたまた
10連休が終わりそうで悲しみにくれかけている方、こんにちは。
お久しぶりのありこです。

最近読んだ本をご紹介します。
ハーバード大学出身の編集者であり絵本作家であり、舞台美術や脚本家、演出家、
色んな顔を持つ作家エドワード・ゴーリー。
『どんどん変に・・・』この本はインタビュー集です。


近所の墓地で拾ってきた骸骨にサングラスをかけ、
部屋のインテリアとして飾っていたという変わり者。
拾って持ち帰っちゃったのは、優しさからでしょうか。はたまたコレクター精神…。

え、いやいや、出来ます?そんなこと、普通…笑。
部屋に本物の骸骨ですよ。かつて生きていたやつですよ。
もしも丑の刻に目が覚めたりしたら、そんな物が部屋にあったら怖いじゃないですか。
生前いい人であった骸骨ならまだしも、サイコパスの骸骨かもしれないんですよね。

ところで、私はそんなエドワード・ゴーリーが、大好きです。
作風がシュルレアリスト的とも言われる部分があって好み、というだけでなく、
この方の作品の作り方…文章や詩が先にあること(私も作曲時は詩が先にある)や、
パーソナリティのあちこちでシンパシーを感じる部分が多いです。

はっきりと意味のつかめない映画が好きであるとか、
ご自身の書く作品も物語性の意味では余白が多く、どういったことを想起し
何を感じるかは読み手側に多くをゆだねられ、ハッピーエンドとは程遠い、
みもふたもないエンディングであったりと、全く型にはまらないところ…
好きな人はとても好きだと思います。

このインタビューの書籍でも、インタビューワーが作品について
「あの本は〇〇が△△をするところで終わっていますが、なぜですか?」
と問いますが、その返事がこれです。
「わたしにも全然わかりません。」

たとえばこの音叉という本ですが、音叉が登場するのは1ページのこの絵だけ。
(下記写真右赤い丸のとこに確かにある)

しかし、その後の展開に、いっさい音叉などというものは出てきません。

インタビュー集で一番好きだったくだりは、
窓際に飾られていたゴーリー自作の首の折れたぬいぐるみを、残念そうに
「ペンギンを作ろうとしたんですが、こんなものになってしまって」と言うところ。
ゴーリーはよくテレビを見ながらぬいぐるみを作ったのだそうですね。可愛い。

昨年地方を回っていたゴーリー展が、とうとう今年の秋、東京でもやるのだとか!
今から楽しみです。

明日はゴーリーの本で英語の勉強でもしようかな。

これも『弦のないハープ』という題名ですが、ハープなんてほとんど出てこない、笑。
それではまた!
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大人の絵本

こんにちは、土曜のありこです。

いよいよ梅雨入りしてしまいましたね。
雨の多い今日この頃ですが、部屋で美味しい珈琲を淹れて、ゆっくりページをめくる時間も大好きです。
カフェイン中毒の私は特に、マキネッタでエスプレッソを作るのがお気に入りです。

なにが気に入っているかってエスプレッソを入れた後に出来あがる、圧縮された豆殻のコロンとした動物の糞みたいな物が、可愛いのです。このコロンとした動物の糞みたいな物はその後、ベランダの植物の肥料になります。


さて、以前シュルレアリストの画家ロブ・ゴンザレスの画集が絵本として売られていることを書きました。
絵本は子供用のみにあらず。

大人の絵本…画集としての要素も備えており、大人が自分の頭で感じたり考えたりするのに適した題材であるもの。そんな観点から、また幾つか挙げたいと思います。



まず下記、1950年代に多くのレコードジャケットも描いた画家、ベン・シャーンの作品『ここが家だ』です。
いつぞやの小部屋にも書かせていただきました「第五福竜丸」。核実験で被爆したこの船を題材にした絵本です。

もう5年以上前だと思いますが、神奈川県立近代美術館で開かれたベン・シャーンの展覧会へ行き、原画も幾つか拝見しました。本になるまで、一枚一枚の絵にかけた時間、ゴツゴツした味わい深い描画の一筆一筆に訴えかけたかった気持ちの強さを感じます。時間を空けて読めば毎度、繰り返し心打たれる作品です。




次にユリ・シュルヴィッツ氏の『よあけ』、子供の頃だったらこれを読んでもつまらないと思ったかもしれません。

めくる毎にただ夜が明けてゆくだけの内容なのですが、静謐さの中になんとも言えない奥行きを感じる作品です。都会の喧騒の中で毎日生活していると殊更に、ああ静かな生活っていいなぁ…と、しみじみ思ったりします。




最後に『茶色の朝』、心理学者フランク・パヴロフ、絵はミュージシャン・画家・俳優・映画監督という多彩な肩書を持つヴィンセント・ギャロ、日本人哲学者らによるコラボ作品です。ファシズムについてや、全体主義・大衆心理が誤った道を行った先の闇を描いています。色々な物がプロパガンダ利用され、メディアも政治に忖度する国に生きる者として改めて身につまされ、また一般市民の一人として己の非力さにも苛まれます。



そういえば、Wikiにあったのですが、ヴィンセント・ギャロってグンゼの白のブリーフがお気に入りなんですね!!
映画『バッファロー'66』のプロモーションで来日した際に「碑文谷のダイエーでグンゼ製の下着を3万5千円分購入した」と書いてありました。



それではまた来週。

師匠、御乱心!

こんにちは、土曜のありこです。
少し前に、ニュースでは相撲界で貴乃花親方が一門返上などと報道されていました。

落語界では今からちょうど40年前の1978年…
身近な先達方々はきっと昨日のことのように思い出されるかもしれませんが(笑)、
落語協会分裂騒動という事件が起きました。

5代目柳家小さん師匠が会長を務める落語協会で、大量真打を出したりしたこと等に意義を唱える形で…前会長最高顧問であった6代目三遊亭圓生師匠の一門が協会を脱退。落語三遊協会を設立し寄席に出られなくなるという、恐らく皆さん良くご存じな騒動です。

この騒動の渦中にいた三遊亭円丈師匠がその8年後に掲題の著書を出しているのですが、その後30年以上発売されず絶版となっていた暴露本。
それがこの度、文庫となって再販されたようなので、買ってみました。

やはり笑点の前・司会者でお馴染みの5代目三遊亭圓楽師匠と立川談志師匠が圓生師匠をかついだのが発端だったのですね。
騒動の大筋は新宿末廣亭の席主が『聞書き・寄席末広亭―席主北村銀太郎述』という下記写真の本の中でおっしゃっている内容と、ほぼほぼ同じでした。



円丈師匠の本『師匠、御乱心!』は、騒動の始まる前から、その後の圓生一門の散り散りバラバラ、流浪の民になるくだり、随所に笑いも織り交ぜてあるものの、怨念渦巻く内容に軽くはない心持ちとなりました。
細部にわたる会話は、YouTube等で聴くそれぞれの師匠の声で脳内再生されそうでした。

改めて、初版はまだ圓生師匠以外ほとんど生きている頃に出されたと思うとすごい、笑。
再販の今回も圓窓師匠とかまだご存命のようだし、いやむしろ亡くなられた師匠方におかれましては死人に口なし屍に鞭打つ状態なわけでもあり…やっぱり軽い気持ちにはならない内容なのでした。
でも、だからこそのリアリティ。ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。
途中「その気になってかつがれちゃって、窮地になれば怒り散らしてちっちゃいな~」なんて思った圓生師匠ですが、亡くなる間際の高座の話は鬼の執念とでも言いましょうか、畏怖の念さえ感じました。人となりは分かりませんが、芸の道では決して小さくは無かったのですね…。


人間というのは、命を左右されるほどまで、名前や派閥にこうも価値を感じるものなのか。

円丈師匠も著書の中で触れていらっしゃいますが、落語界という特殊な業界であるにせよ、「人の人生を変える」ことにおいての責任は、当然ながらその重さたるやはかり知れないほど大きい。そりゃ恨みもします。
自身の人生と同じかそれ以上の重さを感じながら扱うべきなのだと思いました。

どうでもいいけど談志師匠って戒名が『立川雲黒斎家元勝手居士』なんですよね。
カナにすると「たてかわうんこくさいいえもとかってこじ」なんですよね。ほんと、どうでもいいんですけどね、笑。いえもとかってこじ…言い得て妙な自虐ですね。

あ、本の話に戻ります。円丈師匠はシュールな新作落語を作られますが、この本の文章はまさしくそんなシュールさをそこここに垣間見ることができました。
再販の文庫には最後に現在の笑点でお馴染みの小遊三師匠と6代目圓楽師匠の対談があり、小遊三さんがこの本について「初めてエロ本を読んだようなもんですよ」と言っていて、こんなところまできちんとTVでのキャラ設定を通してるな、と思い可笑しかったです。


一門が寄席に出られなくなった後、5代目圓楽師匠が『若竹』『円楽党』を建て…というような文章が出てきて、

あっ!!!!

と思いました。そういえば当方が先月まで住んでいた場所のすぐ近く、深川の区役所の真向かい、確か1階にセブンイレブンのあったビル…
まさしく『若竹』『円楽党』と看板のついた建物があったことを思いだしたのです。

これか!!!このビルだったのか。
現在は予備校、24時間のジム、不動産などのテナントが入っているようです。
こんなに近くにその現場があったのとは!まさしく灯台下暗し。


この落語協会分裂騒動を色んな方の視点から見てみたいので、酔っぱらって圓生師匠宅の玄関に脱糞したという武勇伝をお持ちの川柳川柳(落語協会分裂騒動前は三遊亭さん生)師匠の著書、『寄席爆笑王 ガーコン落語一代』を引き続き読む予定です。
(私はこの師匠の「ジャズ息子」という演目が好き。口ラッパも歌もうまい。)


春風亭一柳(分裂騒動前は三遊亭好生)師匠の『噺の咄の話のはなし』もいつか…。
(本が出た翌年に自殺され、一柳師匠の遺書とも言われているらしいですね。)


書籍再販に乗じた川柳師匠ゲストの円丈師匠の来月のチケットを取りました。
ガーコンやジャズ息子は聴けないみたいですが、今から行くのが楽しみです。

九龍城探訪

こんにちは、土曜のありこです。

今は無き「九龍城砦」。
なぜこんなにそそられるのかは分かりません。


この本(というか写真集?)は、たまに眺めます。
インタビューも充実していてお気に入りです。
ものすごく生活感ある話が、最初から最後まで詰まっています。
忘れた頃に引っ張り出してきては現実逃避するのにうってつけです、笑。



約四半世紀ほど前に取り壊されて無くなってしまった、
閉鎖的な雰囲気のスラム、香港の一角にあった無法地帯。


黴臭そうで、ジメジメしてそうで、狭くて暗くて迷路のような建物の密集体。

大陸から香港へ潜り込んで来た人たちの魔窟…。


香港へ行くと看板がせり出した建物群は見慣れた景色なのですが、
ここは、なんと斜陽の似合う一角なのでしょうか。



法の及ばない、衛生検査も入らない地域だっただけに、肉屋さんや麺屋さん、
結構やりたい放題であったというような内容も書かれています。
ゴキブリとか沢山いたんだろうなぁ…。
関係ないけど、水虫のことを中国では「香港足」って言うんですよね。


この九龍城には歯医者がやたらと多かったというのは有名な話…。
下の写真の「牙」という字があるのは全部歯医者です。



もちろん無免許医だそうです。



この歯医者さんで歯を治療される時の気持ち…想像してみてください。
どうですか?背筋の辺りがゾワゾワ来ませんか?笑


迷路のように入り組んでいた上に、屋根の上に部屋を積み重ねたりしたりで
郵便局員が郵便物を配達する際は混迷を極めたようです(左下)。

どうですかこの建物の角度…積み重なり具合(右上)。崩れ落ちそうでゾクゾクします。


動画も幾つか貼っておきます。
これを見ながらまた現実逃避したいと思います。







ではでは、また来週…

アレクサンドル・リトビネンコ

小部屋をご覧のみなさま、こんにちは。ありこです。読書の秋ですね。


穀物・蕎麦の生産と消費が世界一のロシア(日本は10位)。

死因の30%以上がアルコール(主にウォッカ)のロシア。

核弾頭保有数世界一のロシア。


今から10年前に公開された『暗殺・リトビネンコ事件』。このドキュメンタリー映画を観てから、私はアレクサンドル・リトビネンコのファンになってしまいました。死に際に撮られた、病室でチューブをまとった姿のポスターを壁に貼っていたくらいです(部屋を訪れる人から口々に「怖い!」だの「悪趣味」だの言われましたが)。彼はもとKGBであり、プーチン大統領も同じくもとKGBです。

ここで余談ですが、プーチンがもとKGBであることが良くわかるのは、その歩き方と聞いたことがあります。歩くときに片方の手は普通に前後に揺れますが、もう片方の手はぴっちりと太ももに付いているそうです。テレビなどで目にする機会があれば注目してみてください。その話を聞いてから最初にテレビでプーチンさんの歩く時の右手と左手の動きの違いを見た時「おぉー…確かに…」と目が釘付けに。

さて話は戻ります。告発というのは非常に勇気の要ることです。しかも、立ち向かう組織がとんでもなく巨大かつ強靭。
この本は、たくさんの実名を含み、国家ぐるみの数々の陰謀が赤裸々に書かれています。最低限チェチェンとロシアに関する予備知識が必要なくらいの難しさはありますが、一人の命と引き換えに書かれたことを思うと、敬意をもって読まねばという気になります。この内容で一体何本の映画が作れるだろう、これが本当に現実に起こっているのかと、ページをめくる度に愕然とします。

リトビネンコは、イギリスへ亡命した後にポロニウム210(ウランの約100億倍の効力)という国家組織くらいでしか作れない放射性物質で殺されたのですが、妻マリーナさんはカメラに向かって「ポロニウムはどこから来たの?」と気丈に訴えます。

皆さん、ロシアでは200名以上のジャーナリストが暗殺されたり、不審死をしているという事実をご存知でしょうか。冒頭に触れたドキュメンタリー映画にも登場する、アンナ・ポリトコフスカヤという女性もそのうちの一人です。アンナさんは『チェチェン・やめられない戦争(邦題)』という本を書いたために殺されたと言われています。命をかけて自分の正しいと思ったことをやるというのは、私には絶対に無理です(←言い切る、笑)。故にそういった生き方は羨望です。

逆にKGBとロシア外交官を専門に養成するロシア外務省付属「モスクワ国際関係大学」を卒業した初めての日本人からの視点はどんな感じだろう?ということで、下記を読んでみました。この方は現在もモスクワ在住なのだそうです。ただ、読んでみたら特段ロシアに寄った内容という訳ではありませんでした。この著者は偶然かつてロシアに住んでいた当方の友人の知り合いであったため、どんな方なのか聞いてみたら、裏事情に精通するものの基本はパトリオットとのこと…なるほどと思いました。

ちなみにアメリカは911の後、フセイン政権が大量の武器を保持していることやアルカイダと関係があることを大義にイラク戦争をしました。結局大量兵器などは無く、アルカイダとも関係が無かったことは裁判で明らかになっておりますが、アメリカ国民の中にはその事実を未だ知らないままという人も多いのだそうです。
今読んでいる本でも、欧米在住のロシア人ジャーナリストが「ロシアの暗部を見たければ欧米のニュース、反面欧米メディアが伝えないことについてはロシアのニュースが有効、重要なのはどちらか一方を鵜呑みにせず比較しながら真実を探すことだ」と発言しているのが印象的でした。
未だ記憶に新しい「アラブの春」においても、色々と裏があるようなことをすでに複数の本で目にしています。


我々ももちろん他国のことを言えた状況ではありません。私の身近な“歩く知的財産”である方から教えていただいた下記のような本を現在読んでいるところです。自立するということは、物事を考える上では国からも自立し、出来る限り自分の目と頭で真偽を見定めるということなのだと改めて昨今実感します。どの情報を信頼するか、俯瞰して選択できるくらいの情報量は欲しいのですが、如何せん残念ながらどの国も情報操作というのはあるようですね。せめてアンテナを張って手に入る情報からだけでも、真実を見抜く直観力を養いたいです。

願わくば、国境だの国籍だの、人間が勝手に決めた枠組みに捉われずに生きたい!もし大富豪になることがあれば一所に留まらず一生旅をしながら太く短く駆け抜けて宇宙の塵となってパーッと散って逝きたい(←金銭という人間による作り物に捉われる矛盾、笑)。


R.I.P. アレクサンドル・リトビネンコ。
命に代えた著書とその勇気を讃えます。

それではまた土曜日に。

昭和の脱獄王・白鳥由栄

こんにちは。ありこです。小部屋をご覧の皆さまにおかれましても、お盆で里帰り中の方もいらっしゃるかと存じます。当方も田んぼや畑の続く地方へ帰省をいたしまして、なにせ田舎は娯楽が少ないのでもう、読書がはかどる、はかどる(笑)。

それにしても、昭和の脱獄王「白鳥由栄」という人は本当にすごいですね。
米俵を片手で水平に持ち上げたり手錠をぶち壊すほどの怪力、関節を自由に外せることや手足を吸盤のようにして壁を登れる超人類的な体質もさることながら、看守の歩みの歩数から時間や距離を割り出せるほどの洞察力、4度の脱獄全ての手口が全く違う機転の良さ。そしてタバコ1本恵んでくれた警官に対し「自分を捕まえて手柄にしてくれ」と申し出てしまうような義理堅い性格。

度重なる窃盗や2度も障害致死(裁判によっては殺人とされる)を起こすなど完全に善良な性格とは言い難いですが、脱獄をする際は自分に良くしてくれる看守の日は避け、あえて辛くあたった看守の日を選んだり、盗みをする先は戦後物資の乏しい中で蔵に大量に蓄えている闇商人のところを選ぶなど、犯罪の中にある種の美学と言っちゃなんですが一定のポリシーのようなものを感じられます。「人は鏡」を体現したアウトローとでも言いましょうか…そんなところに、犯罪者でありながら人を惹きつける何かがあるようです。

4度の脱獄方法は…

◆1度目(青森刑務所)⇒手を鍵穴に押し付けて型を取り、拾った針金で鍵を自作し脱獄

◆2度目(秋田刑務所)⇒独房の壁の角を両足で踏ん張って登り、ブリキ缶で作ったノコギリで天窓の枠を切り脱獄

◆3度目(網走刑務所)⇒食事で出される吸い物・汁物を鉄格子に根気よく毎日吹き付け錆びさせて外して独房から出、廊下の天井の梁を登り頭突きで窓を破って脱獄

◆4度目(札幌刑務所)⇒桶の鉄タガと拾った釘でノコギリを自作し床板を切り、食器と素手で地下数メートルの穴をわずか2時間で堀り進みモグラのようにして脱獄

小道具は米粒を糊代わりにして便器の下などに隠し、脱獄時は毛布を人型にしてあたかも誰かが寝ているかのように見せておくなどの周到さ。脱獄理由の大半が看守らの虐待に対する抗議で、例えば秋田の脱獄時はその前に良くしてくれていた刑務所の小林看守長のもとへ、秋田から東京小菅という遠路をわざわざその現状を訴えるために「徒歩で」訪れています。そしてその目的を果たしたら翌日いさぎよく出頭。
戦中戦後の実際の事件や本人の証言をもとにした作品の中では『アナタハン』と同じくらいに興味を持ちました。
皆さまご存知かもしれませんが『破獄』や『脱獄王』という名前で白鳥由栄をモデルにした小説、ドラマや映画も作られています。それらはどれも良いのですが、実名で本人の証言を得て、一番忠実にその人物について書かれているのは下記、幻冬舎「アウトロー」文庫の一冊。
この本は網走刑務所でしか売っていないそうで、網走へ旅行に行った知人から借りたのですが、幾つかヤフオクへ出品されているのを見つけたので自分でも落札。これを読み、少々邪推かもしれませんが、当時の新聞や警察の記録と本人からの証言や実際の年齢等でいくつか食い違う部分もあり、記録や報道については誇張や隠ぺいの片鱗を垣間見たような気がいたしました。公的機関と報道はいつの時代も変わらない、ということでしょうかね…。

私もいつか、ふんどし一丁で天井の梁を登る白鳥由栄の人形や、収監されていた4舎24房のある網走刑務所を直に見に行ってみたいです。がしかし、網走へ行こうと思うと片道5万円くらいするんですね!台湾行けちゃうじゃありませんか。

そんなわけで、知人が行った半券をあたかも自分が行ったかのように載せまして、私自身は台湾へ行きたいと思います(笑)。

では皆さん、また次回お会いしましょう。


プロフィール

HN:
性別:
非公開
職業:
ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
自己紹介:
ギター屋 栗山
毒ガス屋 小俣
ロボット屋 うどん
台灣屋 ありこ

を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
歴代メンバー
・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
・クレープ屋 石井(2018年8月8日まで)

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