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昭和の脱獄王・白鳥由栄

こんにちは。ありこです。小部屋をご覧の皆さまにおかれましても、お盆で里帰り中の方もいらっしゃるかと存じます。当方も田んぼや畑の続く地方へ帰省をいたしまして、なにせ田舎は娯楽が少ないのでもう、読書がはかどる、はかどる(笑)。

それにしても、昭和の脱獄王「白鳥由栄」という人は本当にすごいですね。
米俵を片手で水平に持ち上げたり手錠をぶち壊すほどの怪力、関節を自由に外せることや手足を吸盤のようにして壁を登れる超人類的な体質もさることながら、看守の歩みの歩数から時間や距離を割り出せるほどの洞察力、4度の脱獄全ての手口が全く違う機転の良さ。そしてタバコ1本恵んでくれた警官に対し「自分を捕まえて手柄にしてくれ」と申し出てしまうような義理堅い性格。

度重なる窃盗や2度も障害致死(裁判によっては殺人とされる)を起こすなど完全に善良な性格とは言い難いですが、脱獄をする際は自分に良くしてくれる看守の日は避け、あえて辛くあたった看守の日を選んだり、盗みをする先は戦後物資の乏しい中で蔵に大量に蓄えている闇商人のところを選ぶなど、犯罪の中にある種の美学と言っちゃなんですが一定のポリシーのようなものを感じられます。「人は鏡」を体現したアウトローとでも言いましょうか…そんなところに、犯罪者でありながら人を惹きつける何かがあるようです。

4度の脱獄方法は…

◆1度目(青森刑務所)⇒手を鍵穴に押し付けて型を取り、拾った針金で鍵を自作し脱獄

◆2度目(秋田刑務所)⇒独房の壁の角を両足で踏ん張って登り、ブリキ缶で作ったノコギリで天窓の枠を切り脱獄

◆3度目(網走刑務所)⇒食事で出される吸い物・汁物を鉄格子に根気よく毎日吹き付け錆びさせて外して独房から出、廊下の天井の梁を登り頭突きで窓を破って脱獄

◆4度目(札幌刑務所)⇒桶の鉄タガと拾った釘でノコギリを自作し床板を切り、食器と素手で地下数メートルの穴をわずか2時間で堀り進みモグラのようにして脱獄

小道具は米粒を糊代わりにして便器の下などに隠し、脱獄時は毛布を人型にしてあたかも誰かが寝ているかのように見せておくなどの周到さ。脱獄理由の大半が看守らの虐待に対する抗議で、例えば秋田の脱獄時はその前に良くしてくれていた刑務所の小林看守長のもとへ、秋田から東京小菅という遠路をわざわざその現状を訴えるために「徒歩で」訪れています。そしてその目的を果たしたら翌日いさぎよく出頭。
戦中戦後の実際の事件や本人の証言をもとにした作品の中では『アナタハン』と同じくらいに興味を持ちました。
皆さまご存知かもしれませんが『破獄』や『脱獄王』という名前で白鳥由栄をモデルにした小説、ドラマや映画も作られています。それらはどれも良いのですが、実名で本人の証言を得て、一番忠実にその人物について書かれているのは下記、幻冬舎「アウトロー」文庫の一冊。
この本は網走刑務所でしか売っていないそうで、網走へ旅行に行った知人から借りたのですが、幾つかヤフオクへ出品されているのを見つけたので自分でも落札。これを読み、少々邪推かもしれませんが、当時の新聞や警察の記録と本人からの証言や実際の年齢等でいくつか食い違う部分もあり、記録や報道については誇張や隠ぺいの片鱗を垣間見たような気がいたしました。公的機関と報道はいつの時代も変わらない、ということでしょうかね…。

私もいつか、ふんどし一丁で天井の梁を登る白鳥由栄の人形や、収監されていた4舎24房のある網走刑務所を直に見に行ってみたいです。がしかし、網走へ行こうと思うと片道5万円くらいするんですね!台湾行けちゃうじゃありませんか。

そんなわけで、知人が行った半券をあたかも自分が行ったかのように載せまして、私自身は台湾へ行きたいと思います(笑)。

では皆さん、また次回お会いしましょう。


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プロフィール

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ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
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ギター屋 栗山
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を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
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・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
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