最近のドラマから

石井の小部屋をご覧の皆さんこんばんは。
師匠でございます。

最近のドラマから、印象に残った作品を一つ。

4月から昼の連続ドラマ枠としてスタートした、「やすらぎの郷」。

登場人物は、テレビ界・映画界に功績のあった方々と、彼らを介護する施設の方々。

石坂浩二さん主演、他豪華キャストで放送開始前から話題に上がっていましたが、いざ放送が始まると、出演者それぞれにまつわるエピソードを交えながら、現代の高齢化社会の抱える問題点を如実に描いております。

脚本は倉本聰さん、主題歌は中島みゆきさん。

過去の倉本作品にも採用されたように、劇中で中島みゆきさんの「ファイト!」や「アザミ嬢のララバイ」を効果的に挿入する等、ドラマ全体の雰囲気を醸し出しています。

中でも、有馬稲子さんの演じたシャンソン歌手・及川しのぶの演技は秀逸でした。

登場時は若干痴呆症が始まった、との設定ですが、回を追う毎に、いつかまた自分がスターダムに返り咲く事を願っている「作り阿呆」なのでは?という印象でした。

40年ぶりに自分の番組を復活させる、との詐欺に遭い、内縁の夫・会田(藤木孝さん)は自殺未遂。
一命は取り留めたものの、そのショックでしのぶの痴呆症が悪化。
徘徊もひどくなり、会田の介護も限界に達したため、「やすらぎの郷」はしのぶの転院・退所を勧告。

月曜日分の放送で退場となりましたが、痴呆症の度合を巧みに演じ分けた、有馬稲子さんの演技がとても印象的でした。

特に後半、再び大観衆の待つステージにカムバックする想いを抱きながら、入所者の葬儀で参列者と共に「ファイト!」を大合唱する場面と、近所の市民ホールの楽屋口を毎日徘徊する場面は、しのぶの生きる執念を感じました。

良い役者と、良い脚本…全てが揃って名作は誕生します。
その中で、並み居る大女優を押さえて、有馬さんは「女優はかく演ずべき」というものをこの作品を通じて伝えたかったのでは…と私は思います。









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