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アキ・カウリスマキ / 希望のかなた

こんにちは、土曜のありこです。
2018年一発目に観た映画がフィンランドのアキ・カウリスマキ監督作品『希望のかなた』でした。
希望のかなた
アキ・カウリスマキ色というと、個人的には寒色の壁に暖色の花や服というイメージなのですが、今作でもその配色は目にすることができ嬉しくなりました。
また、お兄さんであるミカ・カウリスマキ監督もそうですが、この兄弟の映画は音楽がとても重要な役割を果たしています。今回の作品にも、レストランの壁にジミヘンが飾ってあったり、味のあるバンドの演奏シーンを随所で見受けられました。

作中このバンドのボーカルが弾いていた、四角いオーディオを改造したような変なギターが気になりました。
この監督の作品には独特の「間」と静かな笑いが存在します。比較的無表情で無骨、仏頂面な登場人物たちが、人間臭さや人の優しさ温かさを見せるというギャップ。
ただ今回テーマとして取り上げた題材は「中東からの難民」と、かなり時事問題が色濃く出ていたのが印象的でした。堅気からちょっと外れかけたはみ出し者が、法律違反をしてでも戦火を逃れて来た命を助ける…。実際には凡そあり得ない偶然やそこはかとないユーモアに、今世界で起こっているリアリスティックな問題が絡むことで、視聴者が現実感とフィルムの向こう側である空想感との丁度間を漂えるような絶妙なバランスを醸し出していました。

シリアからフィンランドへ逃げて来た主人公がシタールかタンブラーのような楽器を弾くシーンがあったり。「音楽は国境とか国籍とか関係なくどんな時であっても皆が感じ合えるものだよね」と言いたい監督の意図がなんとなく伝わりました。

アキカウリスマキ
小さな島国に身を置いて生活をしていると尚更、視野はその土地内に狭まりがち。シリアやトルコからの難民の受け入れは最早世界中で時代の趨勢として避けられ得ぬ問題となっている中、改めて難民認定率が1%以下という我が国の現状を思い起こしました。IOCに170万ユーロの裏金を使い太平洋に放射能垂れ流しつつアンダーコントロールと詭弁をぶっ放す程、オリンピックでお金を落としてくれる富裕層はウェルカムなようです。治安維持には守りの体制も大切ですが…この映画を観た帰り道、なんとなく悶々としてしまいました。



日本ラバーと噂に聞く監督。はっぴを着た主人公たちが、ワサビを富士山のように乗せた(だいぶ間違った)お寿司を運んでくるシーンがあります。平和の民(観光客)がそれを食べて帰って行きます。オモテナシ!?そこまで意図してないとは思いますが、静かで可愛らしいユーモアをツ~ンとシニカルに味わえます。
戌年らしい幕開け、作品中に出てくる犬のポストカードをもらって帰った年明けでした。
そうそう、この監督はご自身で飼っている歴代の愛犬を出演させることでも有名なようです!笑 血筋がきちんとした俳優犬の子供だったりするので、頭も良く大人しいみたいです。


今年の干支は戊戌(つちのえいぬ)。
戊は植物の成長が絶頂期にあるという意味なのだそうですね…。
皆さまの2018年の日々が平和でご健勝かつ幸せの絶頂が続くものでありますよう。

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プロフィール

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非公開
職業:
ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
自己紹介:
ギター屋 栗山
毒ガス屋 小俣
ロボット屋 うどん
台灣屋 ありこ

を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
歴代メンバー
・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
・クレープ屋 石井(2018年8月8日まで)

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