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シチズンフォー スノーデンの暴露

皆さんこんにちは。土曜のありこです。
トランプさんがプーチンさんを秋ごろ招待するそうですね。

以前、アメリカではなくロシアの元KGBであるアレクサンドル・リトビネンコの著書についての記事を書かせていただきました。
今度は、ロシアではなくアメリカの元CIA、エドワード・スノーデンのドキュメンタリー映画について書こうと思います。

『シチズンフォー スノーデンの暴露』

この映画はもうかれこれ4年ほど前のものですが、今なお世間知らずで温室育ちな日本人へ警鐘を鳴らしてくれるものの一つだと思います。
スノーデンは過去に数年間、任務で日本に住んでいたんですよね。東京都福生市に。

ウィキリークス…まだ話題にのぼってからさほど年月が経っていません。

彼の告発によって、有事の際、アメリカは日本の金融機関やインフラをいつでも止められることが明らかになりました。
このドキュメンタリーは告発直後、香港へ逃げた期間に主に撮影された模様。インタビューの途中でホテルの火災報知器が何度か鳴るのですが、本当に身に危険が迫っている中での撮影なだけに、逐一緊迫感に圧倒されました。
全部現実に起こっていること…そう思うと殊更恐怖感が沸き上がりました。
そんなときでもジョークを言えてしまう彼はなかなかのタマです、笑。


告発に至るまでのユタ州NSA(アメリカ国家安全保障局)データセンターでの証拠の入手方法や、告発内容については皆さん賛否両論あるかと思います。帰属意識の強い人からは国家を裏切るなんて言語道断!という反応があるかもしれません。そういう意見を否定はしません。国家とか組織に心の底まで従属したい人はすればいいし、人の勝手で自由だからです。
ただ、米政府の諜報機関がPCについているカメラを遠隔起動出来ることや、ネット上の様々な技術を使って想像以上のデータを抜き取っているという真実を知っておくのは、悪いことではないように思います。情報統制がある限り、客観的に世界を俯瞰して何が本当のことなのか自立した頭で考えられるよう、判断力を養う必要がありそうだからです。


さて、まさに2か月ほど前、EUのGDPR(一般データ保護規則)が適用されました。
当方は実務上この法律の適用には振り回され、専門用語が続く回りくどい英文と睨めっこをして寝不足になりながら苦しんだ時期があったのですが、そもそも従来のデータ保護指令がこのGDPRという規則に代わるまでの発端となったきっかけがなんと…スノーデンから暴露された一件であったと有識者の本に書いてありました。

マイクロソフト、Yahoo!、Google、Facebook、Skype、アップルなど、錚々たるIT企業のデータが米国の諜報機関に利用されているそうです。ネット上の様々なツールの多くがスパイ道具…。例えばアンドロイドスマホを持つ人もGoogleのOSが入っているので通話記録からカレンダーの予定からチャット内容にアドレス帳、その人がググった検索結果から趣向まで、色んな情報が吸い取られ…。

フランスの人権団体が「盗聴法をはるかに超えている」と声をあげ…。
EUは従来のデータ保護指令からGDPRへ移行するために何年もかけてようやく、2018年5月の適用にこぎつけました。


GDPRの適用により、違反したら莫大な損害賠償金…最大で2000万ユーロ(25億円)またはその組織の全世界での年間売上高4%相当額いずれか多い方を支払わねばならないことになり、EU域内在住者に対して能動的な同意なく情報を収集することがNGとなり(能動的な…というのはつまり、知らないうちに同意していたことになる仕様はダメということ)、彼らのデータが守られるよう取り計らわれました。
ご存知の方も多いと思われますが、この新しい規則のポイントはWeb上で取得されるCookieまで含まれている点です。アクセス解析などもそのCoockieを利用したものになります。もはや昨今、どんな人が訪れているのか分からないとPDCA回してUI改善など出来ないので、解析していないWebページはほとんど無いんじゃないでしょうか。

かくして、今年の5月25日よりGDPRが適用になったとたん、なんとEU域内からアメリカの複数のニュースサイトへアクセスできなくなりました。「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」…まるで信長のような手法です。「Coockie取ってそんな大金の罰金払わねばならんのなら、見せなくしてしまえホトトギス」。「お前に食わせるタンメンはねえ!」「EUのやつらに見せるニュースはねえ!」みたいな感じでしょうか。
当日の夜この記事を見て、正直ちょっと笑ってしまいました(笑いごとじゃないけど)。


そいういえば、中国のグレートファイアウォールによるアクセス制限も実務で国を跨いでデータのやりとりをする際に迷惑を被ることしばしばです。
こうしたネット上の攻防は、ある意味静かな世界大戦が繰り広げられているようなもの…。
NSAはドイツのメルケル首相の電話も盗聴。これは一時期ニュースにもなりました。

スノーデンは映画のインタビューの中で英国のGCHQ(政府通信本部)が侵略的なTEMPORAという通信網傍受プログラムを持っている、なども前置きで触れながら…米国のはかり知れない凄まじい監視体制について語ります。
自国への監視体制、他国への監視体制と、話は進みます。
世界中のあらゆる一般人を含む個人情報…守らなくてよいのか?疑問を呈したい対象のスケールの大きさと勇気、個としての幸せを犠牲にする中での恋人とのチャット、心を揺さぶられます。

日々くだらないことで一喜一憂する自分が、いかにちっちゃいかも、身につまされてしまいます。
もっとスケールの大きな人間になりたいものです。


こうしている間もデータ収集の大きな波はすぐそこまで、あらゆるものを飲み込もうと迫っています。いや、もうほとんど飲み込まれ攫われて、あとは生体等の機微情報だけがまだ取られていない人も中には居る、という状況でしょうか。
ちなみに先月はこんな内容を目にしました。Facebookが携帯に「周囲の音声を録音するように」と秘密裏に命令することができるシステムを開発していることが明らかになったと。具体的な方法は、とある周波数をTV広告で流し、それを聞いたスマートフォンが勝手に周囲の音の録音を開始するようです。
……怖過ぎます。AIロボットもその辺りの危険性、話題になっていますね。
基本的人権で認められているはずの個人の自由とは何か。プライバシーとは何か。

ドキュメンタリーではなく俳優が演じたほうの映画『スノーデン』も観たので、より興味深く感じられました。どっちを先に観たのかは忘れましたが…。

こちらの俳優さんより、スノーデン本人の方が正直ずっとかっこいい!!です。

スノーデン氏はロシアへ亡命し、恋人リンゼイさんは彼を追いかけてロシアへ移住したのですよね。
なにしろ立ち向かうは世界有数の核保有大国アメリカ。ロシアのリトビネンコのように、ポロニウムなどの放射性物質で死に至らしめるなど造作もないことのように思えます。今後彼の身に何も起こらず、その寿命を全う出来るまで、平和な日々を過ごせるよう祈ります。


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性別:
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職業:
ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
自己紹介:
ギター屋 栗山
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台灣屋 ありこ

を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
歴代メンバー
・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
・クレープ屋 石井(2018年8月8日まで)

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