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ポーランド映画『砂時計』

皆さんこんにちは。ありこです。

ポーランドのカフカ、ブルーノ・シュルツの小説の映画化作品…
ヴォイチェフ・イエジー・ハスの『砂時計』(1973年制作)について書きます。

ポーランド映画と言えば、すぐにポランスキー監督の作品が浮かんでしまうのですが、他にも色々な素敵な作品があるんですよね。

怪しい世界観。
異空間。
廃墟。

蜘蛛の巣の美しさ…(笑)
ひんやりした雰囲気。

古めかしくて、埃の匂いがしそうな部屋。
軋む扉。

音響の効果も素晴らしいです。
70年代の作品なのに全く古くないです。


カルト映画の部類ですが、エル・トポほどグロくはなく(エル・トポも好きですが)、退廃美もパステル色の照明でポップにさえ感じます。
例えば仏ジャン・ジャック・ベネックスの青など、照明にも個性は出るものですよね。
明るいのか暗いのか分からない淡い靄のかかったような。昼間なのに暗い、夜なのに怪しく明るい…独特の照明効果が観られます。

骸骨が出てきても、なぜか美しいと思ってしまう映像。
全編に静かな死を思わせるものが出てきますが、怖いというよりも、美しいです。

フェリーニの『そして船はゆく』なんかもパステルですが、だいぶ世界観は違います。
もっとずっと妖しくて、そこはかとない心許なさが…。
また、セットの部分もあれど、実際の風景も多用している印象です。
夕暮れの靄の中、像が出てきたと思ったら、蔦のはった壁と鳥の鳴き声、美しい女性の囁き声…など。

これでもかというほど、幻想の中に引き込んでくれます。
70年米のロバート・アルトマンの『BIRD☆SHT』なんかを好きな人はきっと好みではないでしょうか。

ほんの一部、以前書いたヤン・シュヴァンクマイエルを想起させる場面もあります。



昔から、夜の遊園地や、怪しい夜のサーカス、といった雰囲気が大好きでした。
そんな私にとってはまさにこれは大好物と言える作品です。
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プロフィール

HN:
性別:
非公開
職業:
ギター屋、毒ガス屋、台灣屋、ロボット屋、他、沢山
自己紹介:
ギター屋 栗山
毒ガス屋 小俣
ロボット屋 うどん
台灣屋 ありこ

を中心に、様々な自己中話を投稿していきます。
歴代メンバー
・将棋屋 師匠(2017年8月20日まで)
・クレープ屋 石井(2018年8月8日まで)

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